びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

Villa d'Este, Tivoli



噴水庭園、ティヴォリのエステ家別荘へ。



勝手に自分一人、澁澤追悼の旅が始まっている。
しかもすべて従姉妹まかせ。


午前中にのんびりと出発。
車で1時間程度の行程だろうか。
テレビで観るヨーロッパの世界遺産の町の景色が広がる。



エステ家の門前に至りながらも、
従姉妹夫婦はイタリア時間を放出。
カフェである。



もはや、従姉妹も日本人ではないと思うしかないのだな。
ちょっと寒かったし、カフェは好きなのでいいや。
腹はくくっていた。贅沢は言うまい。



エントランスはびっくりするほどわかりづらい。
連れがわかって居なければぜったいたどり着けない。
しょっぱなから感謝の気持ちでいっぱいだ。
カフェはだいすきだ。



ぱっとみ、表札に世界遺産の風格や重厚さが感じられない。
中に入って眺望を確かめるまで、ここが目的地なのかいぶかしみながら進む。






しかし、庭園に出る前の建物の中だけで、じっくり見てたら時間が足りない。






友人の別荘にお呼ばれしてとされた寝室がどの部屋であっても、
まったく落ち着かないバケーションだ。
そうだ、庭にテントをはってもらおう。






中世ローマの貴族たちが競って手に入れた眺望がこれだ。





館内に後ろ髪引かれながら、庭園へ。



これはおなじみだ。






ニンフがなまめかしくてたまらない。





最大の目的がアルテミス像、エペソスの女神。






澁澤氏が執着していたこの女神像を実際に目の当たりにしたとき、
自分がどう感じるのかが一番の疑問だった。
アリスを思わせる背の高い垣根の散策道の突き当たりに彼女が存在した。
雲の白が、庭園の緑が映える青空をバックに
ぱんと張ったいくつもの乳房から未だ湧水を噴き出し続ける女神が
こんなに神々しく映るとは予想だにしなかった。
崇拝を引き出す最高の演出が貴族の庭園にあった。




広大な敷地に広がる水の庭園は見事というほかない。











世界遺産猫の平和な姿が忘れられない。




Tivoli - Villa d'EsteIllustrated
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