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びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

2011/10/16 米沢市上杉博物館

開館10周年記念特別展「洛中洛外図屏風に描かれた世界」講演会

『洛中洛外図屏風とその読み方 − 書記洛中洛外図屏風の相互比較から −』

講師 立正大学文学部教授 黒田秀夫氏

 

初期洛中洛外図屏風

1)歴博甲本(重文) ※三条本・町田本とも

現時点で三条家伝来以前に遡り、三条家と五度の婚姻関係を繰り返していた彦根藩井伊家(直孝)に三代将軍家光が下賜した所まで立証された。

 

2)東博模本 右隻第4扇が欠。11幅の掛幅。

中橋狩野家門人による、伝元信洛中洛外図屏風の模写。

寛文四年松平直政より四代将軍家綱に献上。家綱死後御台所へ遺物として渡り、東叡山寛永寺を最後に不明。上野戦争で焼失したか。

「古法眼元信筆洛中図屏風一双」

 

3)上杉本(国宝) 狩野永徳筆 由来、伝来が明確。

制作年代も上杉家史料により特定、永徳若描きの作品。

(2)の元信本を模した表現が多く見受けられる。

 

4)歴博乙本 (重文)※高橋本とも

狩野派(松栄か)

 

絵画史料論がおもしろい。どんどんおもしろくなっていく。

縦割りの諸科学がもつ定説を覆すことが目的では無く、その絵の真実を立証した上で史料価値をもたせることで、新たな日本史実が浮かび上がってくる。

かつての、フォークロアを日本民俗学とし、日本史学から一つの科学として立脚させたムーブメントを思い起こさせる。資料学の地道な作業は文系ならではの技だけど、その上に立つ立証法はかなりロジカルになる。史実はまだまだ点と点がつながるのをまってる。

 

 

来週末は佐倉の歴博甲本を再度鑑賞。これで初期洛中洛外図屏風固めがますます良い感じに。

ただし、今回見送った林原本、もう少し資料を読みあさりたいところ。旧岡山藩主池田家所有からどこまで遡られてるかが個人的に不明。

メモ):旧岡田藩主池田恒興 (信長の乳兄弟)木瓜紋と、五瓜紋、清和源氏

鳥取池田氏(兄弟)五瓜に揚羽文 平氏 こっちは余談だけどおもしろい。五瓜紋を下賜された後に分家してるのか、、

しかし、林原本の時代考証はもっと下る。

二条城、徳川和子の入内、豊国神社、方広寺大仏殿

2007年の新出本についてももう少し。。。

 

上杉本のことを思うだけで、まだわくわく感が収まらないのに、もう、今日は冴えまくりだ。後ろ髪引かれてた来年の去就もはっきりさせられるような気がしてきた。