びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

プライマリー・フィールド II



live波濤図。
海水の深緑と粘りある白波。曇天の技が存分に発揮された凍るような空気感。
近代美術館らしからぬ背景となってる。
これまでほぼ無縁だった葉山の神奈川県立近代美術館に年末年始と通ったことになる。


高橋信行氏の画に浸る理由の解明に時間が使いたく。
そんじゃキュレイターの列品解説でも聞いてみてリセットもいいかなと。


転写された現象の中に自分(鑑賞者)を遊ばせる奥行きがこの人の画の中にある。
それがキュレイターの言う、ストーリーの彷彿でもあるか。
振り返った視線の先に存在しただけでも手ぐすね引く睡魔みたいに
そのフィールドに招き入れられる。
ちょっとSFちっくなバーチャルリアリティーの誘引部ってかんじ。


考えながらその画に浸透していく方法に慣れているせいか、
この心地が切なくも癒しに感じるのか。
もっと溺れたくなる。



プライマリー・フィールド II 絵画の現在 ― 七つの〈場〉との対話
2010年12月4日(土)~2011年1月23日(日)
神奈川県立近代美術館 葉山