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びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

梛の葉との再会

快晴とまでは行かないが、陽気はよかった。

熱海駅前のバスターミナルは工事中で、起雲閣へのバスは「③番か④番へ」と言われ、
今発車しようという③番のバスに飛び乗った。
バスターミナルを出たバスが早々に目的地とは明後日の方向に向かっていくので、バスを乗り間違えたことに気がつき、
飛び乗った手前下ろしてくれともいえず、ままよ、、、、と
モバイルでバスの経路を検索してみた。

バスはぐんぐん、山を登っていく。。。。
停車順路に「伊豆山神社前」というのがあったので、
「そうか、ここに呼ばれたか。。。」と腹をくくり、顔を上げたら次の停車だった。
伊豆山神社については前日、熱海の観光情報を見ていたときに、
逆方向ゆえに又の機会に、、、と思ったとところだった。

参道の停留所で帰りのバスの時間が20分置きなのを確認し、鳥居をくぐると、景気の良いタクシーのおとーさんが、鳥居と階段をバックに写真を撮ってあげるからとがんがん話しかけてくる。
おとーさん、帰りにタクシー使う気はないのよ。。と言ってるのにまったく聞かない。



頼朝様の政子との逢瀬は三嶋大社ではなかったのか。。。
などとぶつぶつ言いながら上る上る。



立派なお社だった。
観光地から外れた場所だけど、マニアが来るのだろうか。
というか、平日だというのにひっきりなしに観光の人が上がってくる。
思いの外、流行っているんだな。
グッズも充実していた。

階段の途中に役小角が。
こわいよー。
怖いなと思いながらも2枚も撮ってしまった。

帰りに、タクシーのおとーさんに捕まるのか、、、と
断り方を考えながら降りていったら先の強引さは無く、
逆につい乗ってしまいそうになるが、源泉やら言われるままに連れ回されてたら今日の目的が果たせなくなるので、「良くしてもらって申し訳ないが」と、低調にお断りしバス停に向かった。
残念そうだったけど、さらっと引き下がってくれた。>悪かったな。。


バスの時間まで10分ほど、周りにあるガイド板や碑文を読んでいると、
先のタクシーのおとーさんがまたやってきて、

「これをあげるから。
せっかくきたんだから、御神木の葉、お守りになるから持って帰りなさい。良いことがあったら、報告しにまた、来てな」

と、見覚えのある青々とした葉を一枚手渡してくれた。

なんだか嬉しくて、余計に「わるいな、、」と思いつつ
おとーさんの後ろ姿を見送っていると、先にバス停に待っていたおかーさんが、鳥居の横の大木を指し、

「この梛は、私のお父さんのおじさんが、北海道へ行く時にここへ苗木を植えたの。
ここではいつまで経ってもうだつが上がらないと、当時、北海道へ開拓に行く人がたくさん居たの。
それで行く前に植えていったの。梛は南の木だけど、この木が最北の木なのよ。
おじさんは北海道へ行ったはいいけど、もう先超されちゃっておそかったから、
だめで帰って来ちゃったけど」

梛と言われて、見覚えがあった理由がすぐにわかった。
以前、熊野詣での絵解きを引き継がれている方に、お土産代わりにと分けていただいた葉だ。1/3位の小さいのだけど。

「ああ、熊野さんの、、、茶色くならない葉」とつぶやいたら
おかーさんが嬉しそうに「そうそう」と笑ってくれた。

熊野詣での絵解きは、勧進僧がこの梛の葉を持って勧進先を回り、
絵解きをして熊野詣でを庶民に伝え、その際に熊野のお守りとして1枚ずつ配っていたものだ。
梛の葉は、枝から離れても黄化することなく、いつまでも青々とした色でいると言われている。
私がその際に分けてもらった葉も、5年以上緑色を保っていた。
大切にしていたのに、ついこの間、どこかにしまい込んだのを忘れてしまい、とても残念に思っていたところだった。

バスに乗り込むと、タクシーのおとーさんが、
にこにこ手を振って送ってくれた。
やっぱり、熱海駅まで乗ってあげればよかったかな。。。

これだけたくさんの偶然やご縁が重なると、
本当に、ただのバス乗り間違え、とは思えなくなる不思議さがある。
スーパーナチュラルはあまり信じてないけど、
明日の八幡様でのお稽古の際は十分白旗神社にお礼をしてこなくては。。。

というか、やはり、はやく熊野にいかなくては。なのか。。。