びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

何を寝ぼけたことを言っているのですか。

誰がそんな古い記事を引っ張り出してきたのかとおもったら・・・。

 

紡木たく「ホットロード」が実写映画化!和希役は能年玲奈

電車の中でも同年代の人が話題にしてたくらいに、衝撃なのです。

ええ、なぜ今更。

 

とりあえず、手広の交差点はあの頃とほぼ変わらず、現在も鎌倉とは思えないような殺伐としたほこりっぽさが健在ですが。

 

あの地で、あの「鎌倉ブランド・鎌倉野菜」が作られていたとは、心底驚く。

排気ガス・・・ホコリ・・・排気ガス。。。。いえ、何でも無いです。

暴走族が走らなくなった今、湘南のロケ地としてはまったく絵にならない交差点ですが、ホットロードには大切な景色なんです。

ずっと藤沢市だと思ってたけど。>カルチャー的にはほとんど藤沢地域です。

 

あきちゃんが和希なら、ハルヤマは種市先輩がやればいいか。

いや、いっそそうであってくれた方が少し安心する。

あとは今更の実写化に懸念点しか出てこないのだ。

 

一番の懸念は、「ヤンキー」です。

今のこの世代の方々が、あの80年代のピュアなヤンキーを理解出来るのだろうか。

 

彼等が青春を懸けていたマシンの音。

彼等の精神が純粋である故に、対局するものが持つ矛盾や理不尽への苛立ち。

それ等が言葉にも形にも出来ない未知の鬱憤。

当たり前にあるものへの「反抗」に駆り立てる、分かり易くてある意味健全な精神があった。

 

でも、今思えば、彼等はあの中で甘え無しの人間関係を作り上げていた。

彼等なりの大事な人間形成ののプロセスがそこにあった。

 

今の時代、茨城や栃木から週末になるとR134へやってくる暴走族的な団体。

有料道路の料金をきちんと払い、赤信号で停車します。

このコミックを彼等が見て、楽しいと思うのだろうか。

 

和希は「グレちゃったのーーー?」って心配され始める頃、金髪になる。

あきちゃん、金髪に。

神奈川県民なら、一生に関わるという強迫観念を植え付けられていた「ア・テスト」をボイコットするあきちゃん、じゃなくて和希に、ア・テスト洗脳ができあがっている私たちは心底無意味にもハラハラしたものだ。

 

コミックの流れは9割方当時のヤンキーの生態。最終巻まではストーリーの大きな展開はあまりない。

たむろしている場所が、江ノ島の橋だったり、先輩や友だちの家だったり、コンビニ前だったりするだけだ。

吹き出しにもならないような脈略のない悪ふざけの会話がほとんど。

 

背景で常に車のライトがキラキラしているのは、常にヤンキー座りだから。

目線の位置が、ちょうどその高さでまぶしいから。

 

男女の別は現代的とは、ほど遠く、野蛮な武士の時代のそれの方が近い。

強い男に気の強い女が付いたり、アイドルみたいな妾が出てきたり。

抗争へ走り去っていく男の後ろ姿を気丈な振りして見送ったり

(火打ち石は打ってない)。

だがハイティーン・ブギよりちょっとやる気が無くてユルいくらいだ。

『積み木くずし』『夜をぶっ飛ばせ!』よりも、また時代が下り、

精神性もカルチャーもまったく異なります。

 

そして、このコミックには象徴的シーンがてんこ盛りだ。

実写するからにはそれなりの要求は免れないだろうに。

クライマックスには、暴走族同士の抗争に旅立つハルヤマが、自宅の押し入れの天井板を割って、隠していた鉄パイプを引っ張り出し、ビニールテープで右手に巻き付けるシーン。

何がおっぱじまったか、意味わかります?

 

湘南地域の漁師言葉が元となる「いいべー」「そうだべー」という方言。

東北のそれとはちょっとイントネーションが違います。

あきちゃん、ロケが重なってる間、大丈夫だったかな。

 

あの頃大人気だった和希の制服は私の母校の制服がモデルと言われている。

でも、今の高校生にとってはどうなんだろう。

ロングの時代だし。

>違うかも「机をステージに」だったかも。

※私は当時ヤンキーではなく、今で言うバンギャだったので、「机をステージに」の方が好きでした。

但し、湘南地区の田舎では、ヤンキーとバンギャに区別が付かなかったらしく、常に一緒こたに扱われていた印象があります。

 

あの制服は、宗教科の大御所、野平女史(横須賀学院)が創立当時にデザインしたもの。

小学校の頃から憧れてのご入学であった。>わたし。

女子高生の制服といえば、森英惠野平先生かって時代ね。???

 

野平先生といえば、いろいろ助けられたな。救済という名の小舟で接触してきて、撃沈させられた事も多々あったけど。無我無心の善意だ。

ホントに良い学校だった。

中学校で手に負えないやんちゃなヤンキーだった子も、家庭環境がそこそこ悪くなければ、一年足らずで骨抜きに。ボケ老人の如く牙を抜かれて優しい坊ちゃんになっていた。

「学院ボケ」と呼ばれるほどに、おおらかな学校で、先生達もとても良かった。

 

ちょっと話がそれたが、そんな青春時代が、たった「紡木たく」の一言で怒濤のように蘇ってきた。

おもしろいなー。