びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

敦煌1日目–③ 敦煌博物館

敦煌到着初日、夕刻のスケジュール前に近郊の観光。鳴沙山からの流れで、敦煌の歴史をまずは知ってほしい。とガイドもお勧めだった敦煌博物館へ。

 

潤んだ瞳が切ない小さなワンコが、博物館の敷地内に。観光バスなどが入ってくると、バスの降車口の前にお出迎え。潤んだ瞳も心得ているのだ。とは思いたくないほど、終始切ない瞳で、心が痛かった。

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敦煌のワンコは、みんなこのサイズ。狆とテリア系がミックスされた短足系。野良なのか放し飼いなのか区別がつかない。

 

博物館の建物はリニューアルしたばかりらしく、コンパクトな近代博物館のようなモダンな作り。

多くがレプリカや、資料の陳列だが、「敦煌の歴史を学ぶ」には、とてもわかりやすく興味深い資料の数々だった。

 

セキュリティーを抜けて、最初の部屋へ向かう通路の展示
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陶器に描かれているのかと思ったら、木製だった。莫高窟の初唐浄土図がモデルと思われるが、とてもいい作品だった。

 

最初の部屋。敦煌の歴史、地理を概観する。フロアに敦煌の簡易地図が彫られており、大まかな立地がわかり、その後の観光には重要。
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ガイドさん足で指し示す。そこは西洋人と同じ感覚らしい。椅子文化圏。


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東博でも幾つか収蔵されていたかとおもう。仏教伝来以前、漢代、四神が描かれる神仙思想の発想

 

積薪。城壁の遺構をそのまま移設したもの。西漢、つまり前漢時代、ゆうに二千年以上前の藁束( 薪と漢字が充てられるが、大麦の稲)
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盛った土に人力で(当然)タンパーを当て続け、藁を敷き、またその上に土を盛り、同じ要領で土固めをし、その繰り返しで3メートルくらいの城壁を築いていく。馬に騎って侵略してくる北方民族防衛なので、そのくらいの高さでよかったようです。

万里の長城よりも前の時代には、敦煌にはすでに西域との国境地帯としてこの城壁が築かれていたという。

そんな古代のものだと思うと、どきどきする。

f:id:itifusa:20180808072613j:image狼煙の薪材
「狼煙」と字のごとく、日中や風のある日は、狼煙の薪に狼の糞を混ぜてもしたそう。油分が多くなる為重く、なびかない煙がまっすぐに上がるのだそう。
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f:id:itifusa:20180808072220j:image木簡。これもレプリカではなく出土品。

 


紀元前後の貴族(?)墓室レプリカ。天井まで3メートルくらいの実物大のよう。仏教墓ではなく、上部には四神獣などおなじみの装飾と、中央墓室の小型の列柱デザインや最下部のアーチの作りは西域の技術つ使っている。とても興味深い構造だった。
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初唐。だんだん仏教荘厳もバラエティーに富み始める。
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基部に彫り込まれた半裸の飛天が可愛らしい。
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火焔文の龕頂はインド風。逆蓮の上部が何を表すのかわからない。
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基部の浮き彫りは陽気な賢者風。大腿部でまとめられた裳裾も時代と民族性があるのだが、中国語がわからず、詳細は改めて。
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莫高窟45窟(盛唐期)をまるっと複製したコーナーが。結構たのしい。
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後日この45窟を実際に見ることになるのだが、もう鳥肌もの。塑造も美しく、障壁画も荘厳柄の描きこみには続々して声を上げてしまうほどだった。

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あれ、これ、東博にもっと派手な(唐三彩)がいる。

 

千手千眼。中唐期の壁画レプリカ。楡林窟だったかな。実物は修復中で見学できなかったのだが、チベット色強い。
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こちらはお弓の先輩方に見ていただきたいとおもった。
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時代はぐっと降って清代だが、「木弾弓」とあり、握りはほぼ中央部、弦部は中仕掛けの10センチ程だけが、伸縮のありそうな素材の弦になっており、上弦と下弦は木製。これって引くのにかなりの力が必要そう。

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上弦、下弦が木製のため、末弭は外へ反らせてある。
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どんな民族の影響でこういう様式なのか、キャプションなどは情報が薄く不明のまま。ちょっと残念。

 

近世に近づくにつれ、部屋はもうてんやわんや。チベット密教展でこんなようなのあった気がする。両手に蓮花を持っている。
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博物館の建物構造は、中央部が吹き抜けになり、周りをスロープの廊下で登っていき、廊下外側に展示室が並ぶ。一番上の展示室まで上がった時に、この構造が全貌できるようになっている。
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岡本太郎みたいな巨大なオブジェが中央に下がっている。

地階はお土産やさん。
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このツアー”一帯一路”政策の恩恵から逃れることはできない。
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