びぶりおてか

私家版 Caffè Biblioteca

東博、狩野派づくし

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10/8から始まった京都展に合わせて、東博は狩野派祭りです。
 
本館2階では7〜8室にじーーーん、くる展示がてんこもり。
 
7室 屏風と襖絵―安土桃山~江戸 2013/10/1(火) ~11/10(日)
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洛中洛外図 東博模本 11幅(A-2876)左隻にあたる6幅
 
上京を描き込んだ左隻(左6幅)には、細川殿を頭に、畠山殿、仁木殿、石橋殿、小笠原殿と、武家屋敷がむりくり押し込まれ、哀れカゴの鳥となった足利将軍家をとりまくドラマがぎっしり詰まっているわけだ。
 
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右隻にあたる5幅(5扇部欠)は1-3扇にあたる3幅が下京。
町衆が祇園会(山鉾巡行と言わないといけないww)で賑わっている。
 
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この東博模本は江戸時代に模写されたものだが、原本は室町時代の初期洛中洛外図屏風で、第1定型という、室町時代の上京を左隻に下京を右隻に描いている形式。
あの、米沢の上杉本より時代をやや遡る、永徳の作品と(一部では)目されている。
 
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先のとおり、画中には当時の主な武家屋敷が描き出される政治色の強いもの。
この位置関係で発注者も想定されていくのが、この時代の金屏風のオモシロいところ。
よって、画師もそれなりのランクのものであるのは当然。
 
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筆からあふれ出る若くて熱い感性が、終に戦国のチキンレースの中に巻き込まれていかんという、その時代だ。
見る度に、その絵の中に永徳の片鱗を探してしまう。
ぜんっぜんわかんないけど。
 
ところで、この日、
左隻にあたる5幅が、展示ケースの向かって右に、右隻分の5福が5扇目を開けて、向かって右に、
どーーーみても逆に展示
されていたんだけど、何故?
なんか、新しい研究成果でもあったのだろうか。教えてほしい。
でも、この展示だと、右隻4-6扇が左隻につながらなくて、すごくへん。
 
月次祭礼図屏風(模本) 6幅 筆者不詳 江戸時代・19世紀
原本=室町時代・15世紀 (A-2425)
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大的式だろうか!
なんだかうれしい。
 
 
 
本館 8室 書画の展開―安土桃山~江戸 
2013/10/1(火) ~11/10(日)
山水図屏風6曲1双 狩野探幽筆 江戸時代・17世紀重美(A-11198)
瀟湘八景図屏風 6曲1双 狩野尚信筆 江戸時代・17世紀(A-771)
山水図1幅久隅守景筆江戸時代・17世紀(A-11353)
帝尭・四季山水図3幅狩野永岳筆江戸時代・19世紀(A-1233)
山水図1幅狩野永良筆江戸時代・18世紀(A-234)

 

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瀟湘八景図屏風 6曲1双 狩野尚信筆 江戸時代・17世紀(A-771)
 
f:id:itifusa:20131009202256j:plain瀟湘夜雨
 
瀟湘八景図は大好きな画題だ。
漢字の美しさと自然の美しさがみごとに合致している画題。
尚信のやわらかなタッチがとてもきく〜っ。
 
とにかく、今期の東博はお値打ち!
私も古巣に戻った気分で楽しい♪